2025/06/09
蘇原校
宮本 晋佑
高校生向け
高1の文理選択

文理選択は「好きな科目」だけで決めると後悔する?
~高校生・保護者必読!進路選択の落とし穴~
高校1年生の大きな分岐点のひとつ、「文理選択」
皆さんはどのように進路を決めようとしていますか?
多くの生徒は「好きな科目」で文系・理系を選びがちですが、
これは実は非常に危険な判断材料です。
実際に、後から「こんなはずじゃなかった」と
後悔するケースも少なくありません。
文理選択で考えるべきポイントは、実は次の 3つ+1つ です。
文理選択で考えるべき【3つ+1つ】の要素
① 得意科目
好きな科目ではなく、
「自分が伸ばしやすい科目」
「得点源にしやすい科目」
を基準にすることが大切です。
好きだけど点が取れない教科は、受験では武器になりません。
② 勉強量
理系は一般的に勉強量が多いです。
数学、物理、化学など、抽象度の高い科目が並ぶため、
「なんとなく理系」を選んでしまうと、
授業についていけなくなるリスクも。
自分のペースや学習習慣と照らし合わせましょう。
③ 目指す職業
最も重要なポイントです!
将来なりたい職業や興味のある分野があるなら、
必ずそれに必要な進路を事前に調べましょう。
例えば、機械や建築、ITなどの
「工業系」の仕事に就きたいのに、
文系を選んでしまうと、
多くの大学ではそのルートが閉ざされます。
(※例外的に滋賀大学の「データサイエンス学部」など、文系からでも入れる理工系学部もありますが、ごく一部です)
+1 お金(学費・奨学金・将来の収入)
意外と見落とされがちですが、
進路によって大学の学費や卒業後の収入、
奨学金の返済リスクも変わります。
たとえば私立理系は学費が高くなりやすく、
奨学金を利用する家庭も多くなります。
家計の状況も考慮し、進路を話し合うことが重要です。
文理の「行き来」はできる?できない?
よくある考えとして、
「理系から文系に変えることはできるから、決まってないなら理系でいいや」
という声を聞きます。
これは 半分正解で、半分間違い です。
確かに「理系→文系」の大学進学は可能です。
ですが、ここに大きな落とし穴があります。
高校2年で理系クラスに進み、
高3で「やっぱり文系大学を受けたい!」と思っても、
授業は理系のカリキュラムのまま。
つまり、文系大学を受験するのに
必要な科目を学校で習えない という状況になるのです。
受験に“関係ない授業”を受ける苦しさ
想像してみてください。
中学3年生のとき、受験が迫っているのに、
授業の大半が「音楽」「家庭科」ばかりだったらどう感じたでしょうか?
「もっと数学を教えて!」
「英語を受験用にやって!」
となりますよね?
理系から文系大学を目指すというのは、
まさにそれと同じ状態になる可能性が高いのです。
受験に直結しない授業を受けながら、
放課後や塾で自分だけ文系科目を必死に勉強する……
これは相当な覚悟と計画が必要です。
だからこそ、高1の9月〜11月の間には、
ある程度「将来こうなりたい」という
方向性を持っておくことが大切です。
最初から明確な職業を決める必要はありません。
「人の役に立つ仕事がしたい」
「ものづくりに関わりたい」
「海外で働きたい」
といったざっくりとした方向性でもOKです。
学校の先生や塾の先生、
オープンキャンパスなどを通じて、
少しずつ職業と大学のつながりを知っていきましょう。
最後に:「選択を“自分ごと”にする」
進路は、他人が決めるものではありません。
「なんとなく周りが理系だから」
「親が文系に行けって言うから」
そんな他人任せの選択ではなく、
自分の人生に責任を持つ「自分ごと」として向き合いましょう。
もし迷っているなら、ぜひ大人に相談してください。
学校・塾・家族――頼れる人はたくさんいます。
文理選択は、将来を左右する最初の一歩。
目先の「好き」だけではなく、
「得意」「努力量」「将来像」「現実的な条件」まで含めて、
しっかり考えていきましょう!
